Project社内システム開発

一人で全てを行う技術者を目指す

そもそも、SEという職種は一括りにはできないものである。 通常ならば、情報戦略・戦術・システム起案を行うITストラテジスト、全体設計を行うシステムアーキテクト、総合監督であるプロジェクトマネージャ、 セクション監督兼設計のシステムエンジニア、設計に沿ってプログラミングするプログラマー等、役割によって呼び名が分れている。 中小企業ではそこまで組織だったシステム開発を行う事がないため、慣例的に纏めてSE(システムエンジニア)と呼ばれる事が多い。 平成建設には現在5人のSEがいるが、開発に当たっては起案から全体設計、監督、そして実際の作業までを、担当者が通しで行っている。

「社内SEの面白いところは、全部自分でやれるということ。会社にとって何が必要かを考えて判断し、自分で設計して自分でプログラムできることです。 しかも平成建設は多様な職種、幅広い事業内容、個性的な社員が揃っているから、部署を繋ぐコミュニケーションツールを作る事は難しく、だからこそ面白いと思う」
グループウェア開発にあたり、一ノ瀬は起案からプログラミングまでの一連の作業を全て自分で行った。 彼にとって初めて任された大きなプロジェクトであり、その過程で多くの事を学んだという。

「印象に残っているのは納期ですね。それまでこんな、総合的な開発をした事がなかったから、いつまでに出来る? って言われても返事ができない訳ですよ。 そうしたら『納期も決めずに仕事の話なんかできるか』って工務部長(多能工の長)に怒られて。職種は全く違うんですが、仕事に対する姿勢というものを叩き込まれましたね。 あの経験はその後の仕事にも大きな影響があったと思います」

三年前に「ITストラテジスト試験」「データベーススペシャリスト試験」に合格。
他職種から分かり辛いスキルだからこそ、資格を取る意味がある。

今後もシステムの改良は続く

その後グループウェアは「顧客管理」「工事管理」「給与管理」「社員管理」等の機能を追加。同時にシステムを整理する事でデータマネジメントを進めている。 社員はグループウェアを通じて連絡を取りあい、データを共有する。経理、工事、不動産など、各セクションで扱う情報が紐付けされ、物件や顧客の全体像を容易に把握できるようになると共に、 社内的な情報管理――社員の休日管理や社内告知、車輛・会議室管理、査定や投票等もグループウェアを介して行われている。

「『これがなければ業務にならない』と言われた時は嬉しかった。 自分の間近で、自分の作ったシステムが活用されて、業務が円滑化していく様子が見られる。やりがいがありますね」

一ノ瀬は、SEにとって必要な素質を「全体俯瞰力と判断力、説得力、ITの知識」だと言う。
スポットで改革していけば確実にその部分は便利になるが、会社全体としての最適化に適合しているかどうかはまた別問題だ。 数人が喜ぶが大勢が困るシステムは論外であり、開発には値しない。しかし、経営者が経営判断として必要だと言うのならば開発する価値はある。 そうした絶妙な判断を情報システムに精通した観点から判断することが、社内SEには求められる。 そして更に、システム開発によって負荷が増える人間に対しては、彼らを納得させる説明ができなければならない。 SEと言えども向き合うのはモニタだけでなく、最終的には人間を説得する力が必要なのだ。

開発から8年がたった今も、グループウェアの改良は続いている。
「今後はデータマネジメントを更に強化して、システムとして発展・精錬させていくのが目標です。 同時に、スマートフォンやタブレット型PCがこれだけ普及しているのだから、当然ポータブルデバイス対応もしていきたい。建築業にはまだまだIT化する事で業務改善できる部分が多く残っているし、伸びシロも大きいと思っています」(一ノ瀬・談)
平成建設には様々な職種が存在している。
多様故に煩雑になりがちな事務量を減らし、各々がより付加価値の高い仕事に集中できる仕組み。各職種の連携を補助し付加価値を生む仕組み。 それらを目指して、グループウェアはこれからも進化していく。

打ち合わせ風景。
経験を積むにつれ、コミュニケーションが開発に及ぼす影響を強く感じるようになった。